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中西 利典*; 小松 哲也; 小形 学; 川村 淳; 安江 健一*
月刊地球「基礎データから考える第四紀学の新展開-I」号外No.71, p.148 - 155, 2022/02
熊野川中流部の穿入蛇行跡において採取したボーリングコア試料を観察・解析して同段丘地形の形成過程を検討した。古い段丘地形ほど現在の河床面よりも高い位置に分布すると想定したが、環流旧河谷の地下には支流成の土石流堆積物が厚く分布する場合があるため、同地表面を隆起・侵食の指標とする際には注意が必要である。
大澤 崇人; 福岡 孝昭*
月刊地球, 40(5), p.302 - 309, 2018/05
火山岩中のホウ素(B),塩素(Cl),水素(H)HO含有量はマグマ起源の重要な情報を提供する。ここでは火山岩試料を粉末化し、原子炉から発生する中性子を照射するだけで非破壊で分析できる即発線法について、日本原子力研究開発機構の研究用原子炉JRR-3で開発された分析法を、ホウ素を中心に解説するとともに、ごく最近設置された自動分析装置の説明を行う。
福田 徹也*; 棚瀬 充史*; 梅田 浩司; 小林 哲夫*
月刊地球, 37(5), p.197 - 203, 2015/05
火山の活動年代を明らかにすることは、将来の火山活動の場の予測に重要な情報を与える。筆者らはこれまでに南西諸島の島々の第四紀火山岩の年代測定を実施してきたが、今回新たに火山フロントよりやや北西側に位置する黒島におけるK-Ar年代値を得た。これらを含めて西南諸島の第四紀の火山活動の時空変化を解析した結果、西南諸島の火山活動は最近50万年に開始したことが明らかになった。なお、本稿は第2次取りまとめの際に作成した第四紀火山カタログの個別データの引用元として活用できる。
奥野 充*; 長岡 信治*; 國分 陽子
月刊地球, 37(4), p.119 - 121, 2015/04
五島列島, 福江島の鬼岳降下スコリア堆積物は、鬼岳火山群最新の降下テフラである。今回、その直下の土壌試料から19,840120BPのC年代を得た。測定試料のC/N=9.14は、土壌として分解がある程度進んでいることを示唆し、年代値が若返っている可能性がある。しかし、この年代値は、長岡・古山(2004)が同じ層準から報告した18.090100BPよりも古く、広域テフラであるATやK-Ahとの層位関係とも矛盾しない。また、このC年代を暦年代に換算すると、約24cal kBPであった。
二ノ宮 淳; 梅田 浩司; 浅森 浩一
月刊地球, 35(6), p.297 - 304, 2013/06
活断層・活褶曲・活傾動等の隆起・沈降・水平変動を含む第四紀の地殻変動(活構造)に関する研究は、従来、地形学,地質学及び地球物理学の領域で進められてきた。本研究では、活構造とヘリウム同位体比との関連性を明らかにするため、新潟-神戸ひずみ集中帯及びその周辺において、既存のヘリウム同位体比データのコンパイルを行うとともに、新たにデータを加え、その空間分布の特徴を明らかにした。その結果、火山活動や地殻変動の活発な地域と高いヘリウム同位体比(He/He比)が認められる地域には、よい整合性が認められた。このことから地中ガスのヘリウム同位体比は、地殻変動の活動性を評価するための有効な指標であると示唆される。また、この指標を用いることにより、従来行われてきた地形・地質学的アプローチに基づく地殻変動の活動性評価の信頼性の向上を図ることが可能となる。
梅田 浩司; 安江 健一; 浅森 浩一
月刊地球, 32(1), p.52 - 63, 2010/01
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性を確保するためには、自然現象によって地層処分システムが有する物理的な隔離機能の著しく損なわれないようなサイトを選ぶこと、選ばれたサイトについては想定される地質環境条件の変動を見込んで合理的な処分システムを構築していくことが重要となる。そのため、第四紀に活動した広義の活断層を検出する技術や断層運動を含む地殻変動によって将来の地下水の流れや水質がどの程度まで変動する可能性があるかを予測する技術にかかわる研究開発も進められている。今後は、熱年代学的アプローチによるボーリングや坑道等の地下で遭遇した断層の活動性の検討が必要となる。
笠原 順三
月刊地球号外, (51), p.5 - 10, 2005/00
海底地震計の開発とそれを用いた海域での地震観測を行ってきた。海底地震計による地殻構造の解析のために走時トモグライを開発して、日本周辺の地殻と沈み込み帯の構造を求めた。これらの観測から地震発生メカニズムに関する重要な結果が得られてきたが、まだ解析手法には改良すべき点がある。又、地殻構造は場所による不均質性が大きいことがわかってきており、まだ解明すべき多くの重要な問題がある。海底リアルタイム観測は日本で始まった誇るべき観測技術であるが、これからの一層の発展が望まれる。
梅田 浩司; 古澤 明*
月刊地球, 26(6), p.395 - 400, 2004/06
テフロクロノロジーによる編年では、降灰主軸から離れた地域や小規模噴火によってわずかにしか降灰しない場合には、露頭において肉眼でテフラを識別することは困難であることが多い。これらの問題を解決するため、風成塵に含まれる火山ガラスや鉱物の屈折率を連続的に測定し、テフラ起源粒子の屈折率の統計的な解析から降灰層準を認定する方法(RIPL法)を考案するとともに、年代不詳の火山について最新の噴火活動の推定を行った。
梅田 浩司; 浅森 浩一; 及川 輝樹; 角田 地文; Zhao, N.*; 鎌谷 紀子*
月刊地球, 26(6), p.407 - 413, 2004/06
非火山地帯における高温異常域の分布や温泉の性状、熱源等の解明は、地質環境の長期安定性における重要な課題の一つである。地震波速度構造、深部比抵抗構造、温泉ガスのヘリウム同位体比測定等によると、紀伊半島中南部の高温異常域や温泉ガスの高いHe/He比は、マグマや高温岩体等による影響ではなく、スラブから脱水した流体の上昇によるものと考えられる。
武田 精悦; 中司 昇; 梅田 浩司
月刊地球, 26(6), p.332 - 338, 2004/01
最終処分法や原子力安全委員会等によって示されている概要調査地区等の選定や安全規制に係わる要件を紹介するとともに、「地質環境の長期安定性に関する研究」を今後進めていく上での基本的考え方と研究課題等について示した。
中島 崇裕; 熊澤 峰夫; 茂田 直孝; 國友 孝洋; 長尾 大道; 松本 裕史*
月刊地球号外 総特集; 地球内部のアクティブ・モニタリング : 4D地球内部診断を目指して, (47), 174 Pages, 2004/00
電磁波によって地下を見る方法としての電磁アクロスを紹介する。電磁波には弾性波の場合と異なった固有の特徴がある。電磁アクロスでの探査の流れと東濃地科学センターで行っている開発との関係を示し,最後に地殻内部の探査可能性について言及する。
中島 崇裕; 國友 孝洋; 長尾 大道; 熊澤 峰夫; 茂田 直孝
月刊地球号外 総特集; 地球内部のアクティブ・モニタリング : 4D地球内部診断を目指して, (47), p.179 - 184, 2004/00
数百Hz以下の周波数帯における電磁アクロスの観測体制の紹介と、その試験観測結果を報告する。試験観測では、地下構造に関する情報を含む伝達関数がよい精度で求められた。また1ヶ月間の観測結果からは,降雨に相関した変動が見られた。
羽佐田 葉子; 熊澤 峰夫; 鶴我 佳代子; 國友 孝洋
月刊地球号外 総特集; 地球内部のアクティブ・モニタリング : 4D地球内部診断を目指して, (47), p.61 - 68, 2004/00
ACROSSで観測されるデータは、送信信号と受信信号の間の伝達関数を複数の周波数でサンプリングしたものである。この周波数系列データから時間領域の波の走時を読み取るための手法である存否イベント解析法を紹介する。
鶴我 佳代子; 熊澤 峰夫; 國友 孝洋; 茂田 直孝
月刊地球号外 総特集; 地球内部のアクティブ・モニタリング : 4D地球内部診断を目指して, (47), 34 Pages, 2004/00
ACROSSは線形力学系の優れた評価・計測法である。地下の構造と状態の能動的監視観測の質的レベルを上げるには、ACROSSの手法に加えて安定で信頼のおける地震計の稠密アレイが必要だ。それには、信頼性が高い安定で安価な地震計を確保しなければならない。このような現実的な問題に対する解決の道を、地震計のアクロスによる校正法が与える。
鶴我 佳代子; 國友 孝洋; 羽佐田 葉子; 熊澤 峰夫; 茂田 直孝; 笠原 順三
月刊地球号外 総特集; 地球内部のアクティブ・モニタリング : 4D地球内部診断を目指して, (47), 95 Pages, 2004/00
コヒーレントな波動を能動的に使うACROSSがもつ高い潜在力を最大限に活用するには、稠密地震観測アレイをルーチンで運用できるようにすることである。そこで本報告では、正方稠密面アレイの構築とその試験観測、および試験的データ解析の一例を紹介し、我々が目指すべき観測システムを提案する。
笠原 順三; 鶴我 佳代子; 羽佐田 葉子; 國友 孝洋*; 熊澤 峰夫; 國友 孝洋
月刊地球号外 総特集; 地球内部のアクティブ・モニタリング : 4D地球内部診断を目指して, (47), 141 Pages, 2004/00
沈み込むプレート境界で強く反射するPP反射波が三陸沖、内陸で見つかってきている。中部日本縦断人工地震実験から見つかった静岡県の下のプレート境界付近の反射面はアクロス東濃送信所に近い。現存の東濃送信所あるいは浜名湖に近い爆破点J5付近に新たなアクロス送信装置を設置することによりこのプレート境界反射面に性質の時間変化を捉えることができるかも知れない。その時間変化は大地震の前兆的地すべりや地震時のすべりあるいは余効すべりの能動的監視に役立つだろう。
三枝 博光; 徳永 朋祥*; 浅井 和見*
月刊地球, 23(12), p.857 - 862, 2001/00
現在、黒部川扇状地沖合で、これまでの陸域の地下水調査の成果を踏まえ、海域における地下水湧水の実態をとらえるとともに、新しい沿岸域の水循環に関する考え方を提案することを目的とした調査・検討を行っている。本報告では、沿岸域における淡水性湧水の調査方法とその結果についてまとめた。
藤原 治; Dennis Ede*; 檀原 徹*
月刊地球, 23(9), p.610 - 613, 2001/00
本件は、隆起・沈降に関する研究の一環として、日本全国の海岸段丘の年代決定と対比を目指して作成された「段丘アトラス」の成果の一部である。日本列島の地層や地形の年代決定と対比に用いられてきた広域テフラは、九州地方のカルデラに起因するものが主であった。今回、筆者らは火山ガラスの成分分析、年代測定結果、層序学的検討などから、東北日本起源の広域テフラの存在を示した。この結果は、第四紀の地形や地層の対比に新たな指標を提供するとともに、東北日本のテフラ研究に新たな視点を開くものである。
松井 裕哉; Rajaram, H.*; 長沼 毅*
月刊地球号外, (36), p.68 - 73, 2001/00
本報告は、サイクル機構公募型研究「亀裂性岩盤の不飽和領域における水の流動とそれに伴う微生物バイオフィルムの形成及び物質の移動に関する研究」の成果の一部である。不飽和岩盤中の水分移動のメカニズムは複雑であることからその評価方法は現在確立されたものがない。このため、本研究では、サイクル機構が実施してきた不飽和領域計測手法の研究成果を踏まえ、TDR法を用いて亀裂を含むような不飽和堆積岩を対象とした水分浸透実験を行い、そのメカニズムについて検討した。その結果、同現象は土壌分野で用いられているPhilipの式に従うことがわかった。
永野 哲志
月刊地球, 22(7), p.429 - 434, 2000/07
風化花崗岩で観察することのできる水酸化鉄から針鉄鋼への結晶化反応を室内でのシミュレーション実験で再現した。結晶化のその場観測の手段として測色法の適用を試み、また速度論的なアプローチにより結晶化の機構を考察した。具体的には、黄色を示すb*値の変化により結晶化の速度定数を求め、そのpH依存性及び温度依存性より結晶化が溶解・再沈殿モデルに従い、かつ溶解反応が律速段階であることを推測した。また花崗岩の風化による褐色化の時間スケールを推測した。得られた結果より、有害元素を取り込んだ非晶質の水酸化鉄が環境中において長期にわたり安定に存在する可能性が示された。